今この本を読んでいる。
まだ途中だけれど、どうしてもブログを書きたくなった。
タイトルの神様とは経営の神様と言われた松下幸之助さん。
そしてその女房、松下むめのさんの生涯を描いた本だ。
作者は松下家の執事を勤めた高橋誠之助さん。
この本には幸之助とむめのの会話が出てくる。
むめのの受け答えがまさに傾聴なのだ!!
すごい!天然で傾聴出来るなんて素晴らしい!と感動したのでブログに書きたくなったのだ。
幸之助が発明した自転車灯火用ランプ。
※大正時代は自転車のライトはろうそくだったそうだ。
これを自転車の問屋へ売りに行った幸之助はどこの問屋でも全く見向きもされないことにがっかりしてむめのに相談する。
少し引用すると
『「新しい自転車用ランプです。一度、扱こうてみてもらえませんか」
「電池式のランプですが。あかん、あかん。うちでは、よう注文しまへんなぁ」
「なんでどすか」
「なんや、あんた、そんなことも知らんのですか」
その理由がわかったのは、足を棒にして何件も問屋を回った後だったと、むめのは幸之助から聞いた。
「従来からの電池式ランプは、寿命が短かったんや。実用性がないために、お客に敬遠されてしまい、どの問屋も仕入れた商品の処置で頭を悩ませてた。電池式ランプを扱うのは、こりごりやと、と言われたんや」
「それで、どないしましたん」
「砲弾型自転車ランプのできばえは、これまでの自転車用ランプとは違うんや。売れへんのは問屋が粗悪な電池式ランプを扱って、ひどい目におうたからや。まずは、電池式ランプに対する信用を回復せんとあかん」
「そんな方法はあるんですか」
「それをせんと、いつまでたってもうれよらんわ。まず、偏見を取り払わんとあかん」
「売るよりも、しってもらう、いうことですか」
「そうや。そういうことや。うん......」
幸之助は、こうしてむめのによく話かけた。相談をしているわけではない。話を聞いてもらい、むめのの言葉を待った。それが意外にいいヒントになることが少なくなかったからである。しかも、むめのは押しつけがましくない。自分の手柄にしようともしない。そうした自然さが、幸之助には心地よかった。なんでも相談してみようという気にさせた。このときも、商売に通じていない、むめのの言葉に、幸之助は考え始めた。
「その通りやな。売るよりも、知ってもらう、や。問屋やのうて、自転車屋にしってもらえばええのや。ええ話をしてくれた」』
『神様の女房』 高橋誠之助著
知っての通り、現在のパナソニックの創業者松下幸之助さんと奥さんのむめのさんとの会話だ。
この会話の傾聴のポイントは、むめのさんが幸之助さんに話をさせて自分の意見を言わないこと、そして幸之助さんの話を要約してお返ししているところ、だ。
これぞ、ザ!傾聴。
私の目標とする夫婦の会話だ。
そして、面白いことに、むめのさんは意見を言わないし、碌な話もしてないのに、幸之助さんが「ええ話をしてくれた」と言っているところだ。
傾聴を学び実践する私も時々言われるのだが、私はほとんど話をしてないのに、お話が上手ですねと言われることが時々ある。
なんでかなと思っていたが、この部分を読んでそういうことか!と思った。
つまり、相手の話を要約してお返ししてあげることが話が上手だと思われた理由だということ。
おもしろーい!
この本を読んでいるとところどころに出てくるむめのさんの受け答えは傾聴そのものだなと思っていたが、この部分はどんぴしゃ。
やっぱりそうなんだ。
傾聴は相手を成長させるんだ。
確信した。
夫や子供をを成功に導くべく、ますます傾聴を頑張ろうと思う。