この記事の続きです。
ADHDタイプの毒親について
最初に書いた記事ではASDタイプの毒親について紹介しましたので今日はADHDタイプの毒親について書きたいと思います。
他人のことには気をつかうのに自分の子どもには全然気をつかわない毒親の場合は、ADHDタイプの可能性が高いそうです。
ADHDは「注意欠如」が特徴として強いので「注意の部屋」には一つしか注意を入れられないので、他人のことが入ってしまうと自分の子どものことはすっぽり抜け落ちてしまうそうです。
悪気はないのですが、悲しいことに子どもは自分は親にとって取るに足らない存在と受け止めてしまいますよね。
また、ADHDの人は、パッと思いついたことをそのまま行動に移すことが多いのも特徴です。行動力があるのです。
個人のレベルでは問題がないのですが、子どもとの約束や計画が関わる場合には、
子どもからすれば「約束を破られた」「ハシゴを外された」体験になりますし、何より衝撃を受けます。
そんなふうに、ADHDの親は子供を傷つけることが多いのです。
例えば仕事と家庭の両立をしてるADHDの母親は、「注意の部屋」が「仕事だけはちゃんとしなければ」でいっぱいになってしまうので、子どもから見れば愛情不足になります。
子どもは親に愛されたい存在ですから、親の機嫌を取ろうと、いろいろな工夫をしてみるのですが、それが親の「注意」に入らないため、
気づかれない、あるいは、当然のこととみなされる場合がほとんどです。
こうしてADHDの親(特に母親)に育てられた人は、「不安型」の愛着スタイルを身に着けがちです。
親にとっての世界は「自分が注意を奪われたこと」を中心に回っているため、一貫した対応がとれず、
子どもにとっては「期待していたのにハシゴを外された」「自分のことなど配慮もしてもらえない」という体験があまりに多いからです。明らかなトラウマとして残るものもあります。
『毒親の正体』 水島広子
本の引用を入力していて涙が出そうになるくらい、子どもの気持ちを思ったら可哀想でなりません。
私の親はADSタイプなので実体験はありませんが、上記のようなことをされたらもう辛くて苦しくて寂しいです。
毒親問題を癒すためには、解釈ではなく毒親を知ることがとても重要
この毒親の正体と言う本には、主に発達障害があって毒親になってしまった親の行動がどうしてだったのかをたくさん説明してくれています。
著者の水島広子さんは、毒親を持つ人は「なぜうちの親はああなのだろう」といろいろ考える中で様々な「解釈」をしていきますが、「解釈」では毒親問題をいやすことはできないとおっしゃいます。
毒親問題を癒すためには、解釈ではなく毒親を知ることがとても重要だとおっしゃいます。
ですから、毒親がどうして毒親になったのか、毒親はどういう特徴があるのか、毒親ならではの行動はどうして起こるのか、それをたくさん説明してくれています。
私はこの本を読んで毒親の言動の、その理由を知ることで、毒親を客観視できるようになりました。
毒親のことを蒸し返すのはとても大切です
この本は8章立てとなっています。
そのうちの3章が「毒親」のこのための5ステップです。
この中で水島さんは親を悪く言う毒親育ちにたいして専門家の治療者たちに「今更昔のことを蒸し返しても仕方がない」とか「親のことを悪く言うものではない」「それより今後のことを考えよう」など言われることが、
どれほど「毒親」被害にあった子どもたちを絶望と混乱に陥らせるでしょうとおっしゃっています。
「毒親」について訴えられる状態になった子どもは、すでに親がしたことと自分の生きづらさの因果関係を理解しています。
それなのに、肩すかしのように「今さら」と言われることがどれほど「誰も助けてくれない」という感覚を生むでしょうか。
それも専門性を頼ってすがった先で。
過去にどんな対人関係を持っていたかが、その人が他人を見るときの「フィルターを」作るので、実際は昔のことを蒸し返すのは大切なことだと水島さんはおっしゃいます。
ですから、治療の中で過去の親子関係を聴くことは、「親のせいで…」というような人格攻撃のためでは決してなく、
親のどのような言動が子どもの愛着スタイルにつながったか、
親が子どもにどのようなトラウマ体験を与えたか、ということを知るためのことなのです。
このようにこの本を読んでいくと、私が過去苦しい胸の内を語ると世間様から言われた「いまさら」を否定し、
毒親被害にあったことを語ることは正しいと肯定してくれるので、とても安心しました。
「毒親」問題を手放す前に
本を読んでいくと過去が思い出されたりして苦しくなったり辛くなったりすることがあることも、水島さんはお分かりで、
”第4章「毒親」問題を手放す”に入る前に前置きを書いてくださっています。
------- 本章を読んでいただく前に
ここまでお話ししてきた内容が、理屈で理解できた方、努力の方向が見えたと思う方は、このまま読み進めてください。
そうでない方、例えば「この著者は何もわかっていない!」という怒りすら感じている方は、しばらくの間、本書を本棚に寝かせておいてください。
人にとって、ある本を読むのに適した「タイミング」があります。
しばらくたって、あるいは親との何か新しい局面を迎えたときに、前章までを読み返して、
「なるほど」と思うまで、先に進まないでください。
それほどデリケートなのが「毒親」問題なのです。
毒親問題は人によって問題の質が様々でひとくくりにできないものがあるのだなとここを読んで思いました。
この本はこの後、毒親との付き合い方で「我慢する」と「手放す」の違いを理解することや、
自分自身を癒す方法や毒親認定されてしまった親御さんに向けての章もあります。
毒親と娘の女の部分でのこじれなどにも言及されています。
この本は様々な角度から毒親問題について語り、方向性を示してくれていると私は思います。
まとめ
もしあなたが毒親問題で苦しい思いをされているのなら、とにかく手に取ってもらいたいと思います。
そして第3章まで読んでみて、その後先へ読み進めるのかそこでしばらく寝かせるのかを決めてもいいと思います。
私は水島さんの本でかなり救われました。
あなたにもこの感覚を得て、安心した世界を歩んでほしいなと心の底から願っています。