私は怒っていた。
心の底でいつもいつも怒っていたのだ。
私の心の中は怒りが充満していた。
物心ついた頃からずっと。
だから何かあると顔には出さないし言葉にもしないが、実は私はすぐイラっとしてしまうのだ。
誰に?
世の中の全てに。全ての人に。
そう、電車の中で隣に立った人に嫌な奴と思うんだ。
前から歩いてくる知らない人に腹立ちを感じるんだ。
でもきっかけはわかっている。
それは親、しかも母親に対してだ。
私は母親に対してものすごい怒りの感情を持っていた。
それはずっと前から気付いていた。
怒りを感じているのは母親だけにだと思っていた。
しかし違った。
私は全ての人に対していつもいつも怒っていたのだ。
もちろん夫に対してもそうだった。
だから夫が何をしていても怒っているように感じてしまっていた。
ただ、朝寝坊をして寝ているだけなのに、怒っていると思っていたのだ。
何をしていてもどこにいても誰といても、何か物足りない思いを抱えていたのは心の底で世の中に対して怒っていたからか?
いつも落ち着かない気持ちがしていたのはそのためだったのか?
神様は相手は自分の鏡だとおっしゃる。
私が怒っているから夫が怒っていると思ったし、私が夫に満足しないから夫も私に満足しないのだ。
夫との和解の話し合いで、私は結婚以来夫を誤解していたと分かった瞬間に、自分は怒りを抱えていたと気づいたと同時にその怒りが消えた。
夫は私に対して怒っていなかった。
結婚以来ずっと怒っていなかった。
そのことが心の奥の奥で理解できたとき、世の中の人々がみんな優しい人になった。
電車で隣に座った人に何をされたわけでもないのにイヤな感じがすると思っていたが、そんな思いは全く無くなった。
コンビニで会計をしてくれるオーナーらしきおじいさんに優しさを感じられるようになった。
たった一日で、私の心は180度変わった。
神様ありがとうございます。